An English version of Say-Peace Project’s “Protecting Children from Radiation” is published on the Asia-Pacific Journal: Japan Focus (editorial supervision by Dr. Matsui Eisuke; translated by John Junkerman; introduction by Norimatsu Satoko). Go to: http://www.japanfocus.org/-Say_Peace-Project/3549 .
The PDF printable version is here. Japanese translation of the introduction and footnotes are provided below.
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| 日本政府の福島県の教育関係者向けのガイドより。 (放射線のことを)心配することがストレス反応 を脳に引き起こし、さまざまな身体症状の 原因になると説明している。 |
政府によるこのような放射線の影響軽視の試みは成功してきた。福島においてさえも、人々は普通に生活しているように見えるし、マスクも着けていない人も多い。子どもたちはホコリの立つ公園で遊んでいる。しかし最近になって状況は変わってきている。政府や電力会社が迅速に情報公開しなかったことがどんどん明るみになってきていることや、市民がインターネット、ソーシャルメディア(ツイッターやフェースブックなど)を駆使して情報交換し、ネットワークを築いてきたことが背景にある。
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| ホットスポット」がわかる地図: 筑波大学のグループによる、福島県と、 南側の県(茨城と、栃木、千葉、埼玉の一部) におけるセシウム137汚染図。 (地図は中日新聞より) |
イリノイ大学の国際法教授で、核政策に詳しいフランシス・ボイル氏は日本人に「自国の政府と原子力産業から身を守るべく自ら行動しなければいけない」と警告した(注8)。政府と主流メディアは、原発事故に影響を受けた地域は安全であり、そういった地域産の野菜や果物を積極的に食べるようにとの宣伝活動を大規模に展開してきたが、人々はとうとう、自分たちの安全は自分たちで守るという、当然の行動に出始めた。これは「ホット・スポット」とも呼ばれる、不規則に発生した高汚染地域が最近随所に見つかり、それは福島市、郡山市といった福島県内の人口密集都市にも及んでいることがわかったからだけではない。「ホットスポット」は、日本国の3分の1の人口4千万人を抱える、東京を含む関東地方全域にも広がっていることがわかってきているからである。人々はもう、この核危機を、福島に限定した問題として捉えることはできなくなっている。
(子どもを放射線から守るための)親たちのグループは各地で結成され(注9)、独自の放射線計測を実施し、自治体に対しては、もっと住民を、特に放射線に敏感な子どもたちを守るように要求している。福島では、大学教員のグループ(注10)、自治体の首長(注11)、県議会の議員までもが政府の放射線の基準に疑問を呈している。県の「放射線アドバイザー」である山下俊一氏は、頻繁に講座を開き、メディアにも登場し、福島の人たちに、心配せずに、今居る場所に留まるように説得してきた。しかし現在、前述の市民たちは、山下氏の解任を要求している(注12)。東京のNGO「セイピース」による「放射線被ばくから子どもを守るために」は、こういった市民による総合的な放射線防護ガイドとしては初めての部類に入るであろう(注13)。われわれ「アジア太平洋ジャーナル:ジャパンフォーカス」は、このような市民主導のガイドを英訳する必要性を感じた。欧米メディアの(福島核危機への)関心は薄まり、最新の汚染や放射線リスクについての情報が、日本語以外の言語では以前より入手しづらくなってきているということもある。政府は、情報を隠蔽し、放射線への不安を抑えることによって(原発事故の)責任を逃れ、経済への悪影響を最小限にとどめようとする。一方市民たちは、自分たちと子どもたちを守るために真実を知り、共有したいとの思いから、このような放射線防護ガイドを作り、活用し、広めている。こういった政府と市民の間のせめぎ合いは当分続いていくことになろう。このガイドの元の日本語版はこのリンクからダウンロードできます。-☆-☆-☆-☆-☆-(リーフレット「放射線被ばくから子どもを守るために」の翻訳記事へのリンク。『アジア太平洋ジャーナル』ウェブサイト版。印刷用PDF版。)-☆-☆-☆-☆-☆-乗松聡子(紹介文)「アジア太平洋ジャーナル:ジャパン・フォーカス」誌コーディネーター。カナダ・バンクーバーの平和教育センター「ピース・フィロソフィー・センター」代表、「バンクーバー九条の会」ディレクター。憲法九条、アジア歴史和解、広島長崎と核廃絶、沖縄の米軍基地問題などの分野で、若者や地域の人たちと共に様々な活動・教育事業に従事する。ジャン・ユンカーマン(翻訳)
東京在住のアメリカ人のドキュメンタリー映画監督。「アジア太平洋ジャーナル・ジャパンフォーカス」のアソシエート。監督の映画「映画日本国憲法」はキネマ旬報と、日本ペンクラブの最優秀ドキュメンタリー賞を受賞。北米では「ファースト・ラン・イカロス」映画会社が配給している。紹介文の脚注1. 日本政府は、放射性物質の拡散や被曝の予測が数分で可能な、SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)という優れたシミュレーションシステムを保有している。しかしこのSPEEDIの計算結果の一部を発表したのは事故後12日経った3月23日であった。政府は何千何万とあるであろう計算結果の一部のみを遅れて発表してきた、また計算結果を住民の迅速な避難のために役立ててこなかったとして非難されている。http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1305747.htm
http://www.nsc.go.jp/mext_speedi/index.html
日本政府は気象庁を通じて市民に対する風向き(放射線拡散)の警告をすることもない。日本の天気予報は花粉飛散予測や桜の開花予想などは積極的に報じるが、福島第一原発からの放射能については何も言わない。インターネットが使える人の多くはドイツ、イギリス、オーストリア等、外国の放射線拡散予測に頼ってきている。2. 米国エネルギー省(DoE)と日本の文部省はこれまで、福島第一原発から半径100キロ圏までの空間放射線量とセシウムの蓄積量の航空モニタリング調査を行ってきており、結果はそれぞれの機関のホームページで発表されているが、政府の記者会見やメディアはこれらの結果をほとんど説明していない。これはおそらく、この調査結果が、避難地域以外にある高汚染地域「ホットスポット」を明らかにしてしまうからであろう。セシウム134と137の蓄積量を示す地図では、平方メートルあたり30万ベクレルから60万ベクレルの地域と30万ベクレル以下は、青の同系色の濃淡で区別されており、「ホットスポット」が、人口密集地域である福島市や郡山市にまで及んでいる状況が識別しにくくなっている。
リンク: http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1305818.htm (文科省) http://blog.energy.gov/content/situation-japan (米エネルギー省)3. 厚生労働省パンフレット「妊娠中の方、小さなお子さんを持つお母さんの放射線へのご心配にお答えします」リンク:http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014hcd.html 4. MEXT is a short for the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology. MEXT は「文部科学省」のことである。5. 日本における放射線業務従事者の被曝限度は5年間に合計100ミリシーベルトまで、ただし単年に50ミリシーベルトを超えないようにと定められている。年平均は20ミリシーベルトとなる。日本原子力開発機構放射線管理部ホームページより。
リンク:http://rphpwww.jaea.go.jp/senkan/monitor/d.html 6. 文部科学省「放射能を正しく理解するために」、2011年4月20日
リンク:http://www.pref.fks.ed.jp/sinsai/advice/rikai.pdf 7. 浜岡原発で働いていた嶋橋伸之氏は1991年に慢性骨髄性白血病で死亡した。被曝量は1981年3月から1989年12月、8年10カ月間で計50.65ミリシーベルトであった。彼の病気は労災認定された。資料「原発等被曝労災一覧」を参照(上から5番目)。
リンク:http://peacephilosophy.blogspot.com/2011/05/blog-post_15.html 8. フランシス・ボイル「原子力産業『人道の罪』」、愛媛新聞、2011年3月23日。文末の節を抜粋すると、「政府や原子力産業が真実を言うと期待しない方がいい。現在進行中の『人道の罪』に最も重い責任があるのは彼らだ。日本の皆さんは、自国の政府と原子力産業から身を守るべく自ら行動しなければいけない。」9. See Mariko Sanchanta and Mitsuru Obe, “Moms Turn Activists in Japanese Crisis,” Wall Street Journal, June 17, 2011. Link: http://online.wsj.com/article/SB10001424052702303499204576389094076351276.html
マリコ・サンチャンタ、ミツル・オベ「立ち上がる母親たち-原発事故受け」日本語版リンク:http://jp.wsj.com/Japan/node_25111610. 6月6日、福島大学の准教授12人が福島県佐藤雄平知事に要望書を提出した。山下俊一氏を県民被曝の長期疫学調査の座長として選んだ過程を明らかにするように、また、内部被曝を重要視し、予防の立場から低線量被曝のリスクを考慮する専門家の招聘を要請している。
リンク:http://fukugenken.up.seesaa.net/image/E8A681E69C9BE69BB8ver8.pdf 11. 二本松市の三保恵一市長は、山下俊一氏による講座を企画したことに対する後悔の念を表した。山下氏は、避難基準への科学的根拠を示すかわりに、ただ政府がそう言うのだから聞くようにと市民に伝えたからであった。
リンク:http://fukugenken.up.seesaa.net/image/E8A681E69C9BE69BB8ver8.pdf 12. 「『福島原発のリスクを軽視している』-『安全説』山下教授に解任要求署名」、J-CASTニュース、2011年6月14日。リンク:http://www.j-cast.com/2011/06/14098424.html?ly=cm&p=1 13. もう一つ注目すべきなのは西岡由香のマンガ「放射能って何?」(2011年5月)。ここからダウンロードできる。http://sky.geocities.jp/yuka37jp/

